理学療法士が教える!−5歳若返り!姿勢を改善して印象を変える!

トレーニング

皆さんは日頃、ご自身の姿勢について意識されていますか?意識をしていても、常によい姿勢をを保つことは難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。

理学療法士として、よい姿勢が与える影響や、不良姿勢によるデメリット、よい姿勢をキープするためのポイントなどを解説していきます。

理学療法士が解説!姿勢が印象に与える驚きの影響とは

「よい姿勢」が印象に与える影響

「よい姿勢」であることで、「悪い姿勢」よりも信頼性が高く評価されると考えられています。さらに、その印象の形成は0.1秒とごく短い時間で行われています。

これはある大学で行われた研究の結果です。研究の内容としては、学生10数名の「よい姿勢」と「悪い姿勢」の写真を取り、その写真を100名以上の学生に「魅力」「信頼」「支配性」で評価してもらうというものです。加えて、写真を見せる時間を変えて評価してもらい、どのくらいの時間で印象が形成されるかも調べました。

「よい姿勢」や「悪い姿勢」には個人差がありますが、この実験は特にポーズの指定や姿勢改善の訓練を行わずに実施されています

つまりモデルのように美しい立ち方・座り方・歩き方などの訓練をしなくても、各個人が思う「よい姿勢」を日頃からキープすることができれば、0.1秒で信頼性が高いという印象を与えることができるのです

「悪い姿勢」がもたらすマイナス印象

上述の実験結果より、「悪い姿勢」では「よい姿勢」に比べて、信頼性などの良い印象が形成しにくいと言えます。では、「悪い姿勢」とはどんな姿勢でしょうか。

多くの方がイメージする「悪い姿勢」といえば、猫背ではないでしょうか。猫背をデジタル大辞泉で調べると、『首をやや前に出し、背を丸めた姿勢。また、そのようなからだつき。』となっています。概ねイメージ通りの内容ではないでしょうか。

現代では、仕事や日常生活において、スマホやPCが切り離せないという方が大半ではないでしょうか。画面に顔を近づけることで猫背となりやすいため、多くの方にとって他人ごとではない問題だと思います。

では、以下に猫背について、日常生活や仕事に与える影響や肩こり・腰痛などの健康へのリスクなどを解説していきます。

猫背は仕事や日常生活にどう影響する?

日常生活や仕事への影響としてまず挙げられるものとしては、『頼りなく見られやすい』です。

理由としては、上述の実験結果にあるように、猫背などの「悪い姿勢」は信頼性が高く評価されにくいためです。また、野生動物において、背中を丸める姿勢は、「相手に服従する」という意思表示として取られる姿勢と考えられています。

「相手に信頼性を評価されにくい=頼りなく見られやすい」ことは、仕事・プライベートいずれにおいてもポジティブな影響は少ないですよね。

次に挙げられるものとしては、『老けて見られやすい』です。

加齢に伴い、姿勢を保つ筋力の低下により、「よい姿勢」をキープすることが困難になっていきます。それと同時に、ぽっこりしたお腹など、筋力が低下することで体型もくずれやすくなります。

姿勢によって相手によい印象を与えたいと考えた際、やはり『老けて見られやすい』のは極力避けたいですよね。

ここまでは主に見た目への影響を解説してきました。では、健康面への影響はどうでしょうか。

見た目の印象ダウンだけじゃない!肩こり・腰痛など健康へのリスク

私たちは地球で生活している以上、常に重力の影響を受けて暮らしています。重力による影響を考える際、てこの原理が重要になります。

てこの原理についての詳しい説明は省きますが、少しイメージしてみてください。手を伸ばして重たいものを持つ場合と、体に密着させて重たいものを持つ場合とで、どちらがより大変でしょうか。

当然、手を伸ばして重たいものを持つ方が大変ですよね。

では、姿勢で考えてみましょう。人間の頭部は体重の約10%程度、具体的には成人で約4〜6kg程度とされています。この重量物が体の中心である背骨の上にきちんと来ている状態と、背骨よりも前方に突き出た状態(=猫背)とで、どちらがより大変だと思いますか?

やはり猫背の方がより大変そうですよね。猫背のような、より大変な姿勢を続けることで、以下のような症状が現れる可能性があります。

  1. 頭部を支える首や肩のこり
  2. 上半身を支える腰の痛み
  3. 体全体を支える膝や股関節など下半身の関節の痛み

見た目にも良い影響がなく、健康へのリスクもあるなんて、改善しない理由がないですよね。では、姿勢改善のために、そもそもなぜ悪い姿勢になるのかその原因から考えていきましょう。

理学療法士が教える!悪い姿勢になる原因

悪い姿勢になる原因をざっくりと説明すると、以下のようになります。

  • 加齢による姿勢を保つ筋肉の筋力低下
  • 日常生活での悪い姿勢の習慣化

「卵が先か、鶏が先か」ではないですが、上記の原因はお互いに影響し合います。

長年にわたって日常生活の中で悪い姿勢が習慣化していれば、よい姿勢を保つために必要な筋肉は働きにくくなるため、その筋肉の力は低下していきます。反対に、筋力が低下することでよい姿勢を保つことが困難になり、悪い姿勢が習慣化してしまうこともあります。

つまり、姿勢改善のためには筋力の低下予防と、よい姿勢を習慣化することのどちらも必要になります。

−5歳若返りも夢じゃない!姿勢を改善するための6つのポイント

この記事の冒頭で、姿勢改善のために特別な訓練をしていなくても、個人が思う「よい姿勢」をするだけで良い印象を与えるということはお伝えしました。つまり、実験の結果だけを考えると「良い印象を与えるために特別な努力はいらない」ということです。

しかし、「よい姿勢」をラクに保つためには、訓練が必要なことも事実です。そこで、姿勢などについて専門的な知識を有する理学療法士として、取り入れやすく、続けやすい姿勢改善のポイントをお伝えしていきます。

若々しい見た目をゲットするために、姿勢改善のポイントを確認していきましょう!

今すぐできる!姿勢改善のための4つのポイント(立ち方編)

では、最初によい姿勢かどうかのチェックポイントから確認していきましょう。

まず、横からのチェックポイントは以下のとおりです。

  1. 耳・肩・足の付根付近の骨(大転子)・膝・外くるぶしが直線上に並んでいる
  2. あごが引かれていて、頭が前方に飛び出していない

直線上に並んでいるかのチェックポイントは、自分では確認しにくいため、誰かに見てもらうか、写真を撮ってもらって確認することをおすすめします。また、足の付根付近の骨(大転子)については非常にわかりにくいため、それ以外の箇所で確認してもらえればよいかと思います。

横から見た姿勢の改善のために、以下のポイントを意識しましょう。

  1. あごを引いて頭が前方に飛び出さないようにすること
  2. 土踏まずの中央付近(足首の前方付近)に体重を乗せるイメージで立つこと

頭が前方に出ないようにすることは、直接猫背の予防になるためイメージが湧きやすいと思います。体重を乗せる部位については、土踏まずの中央付近を意識することで、重心が前方や後方に偏らずにバランスよく立ちやすくなります。

続いて、正面からのチェックポイントは以下のとおりです。

  1. おへそが左右の足の間の中心付近に位置している。
  2. つま先が過度に外側(内側)を向いていない。

なぜおへそを意識するかというと、人間の身体の重心はおへその少し下にあるためです。また、目に見る部位なので、自分のおへそがどこにあるかを明確にイメージできる方が多いと思われるためです。

つま先の角度については、おおよそ標準的な角度は7〜13°つま先が外側を向いているとされています。当然、個人差があるため、これが全てではありません。標準的な角度を上回る場合や満たない場合も、過度でなければそこまで気にしなくて良いと思います。

上記のポイントをまとめると、以下のとおりです。

  1. あごを引いて頭が前方に飛び出さないようにすること(横から)
  2. 土踏まずの中央付近(足首の前方付近)に体重を乗せるイメージで立つこと(横から)
  3. おへそが左右の足の間の中心付近に位置している。(正面から)
  4. つま先が過度に外側(内側)を向いていない。(正面から)

これらのポイントを意識することで、姿勢を保つ筋肉を使う習慣ができ、その筋肉の筋力低下を予防することが期待できます。

立っている際のポイントを解説したところで、次に座っている際の姿勢改善のポイントを紹介していきます。

今すぐできる!姿勢改善のための2つのポイント(座り方編)

man sitting on gray concrete wall

座っている姿勢は、立っている状態よりもラクな姿勢と言えます。さらに肘掛けや背もたれの有無などの環境により、かなりだらっと力が抜けている=筋肉が働いていない状態になりやすいと考えられます。

そこで、背もたれや肘掛けに頼らなくてもラクに姿勢を保つことができる方法をお伝えしていきます。

  1. おしりで椅子の座面を押す意識、頭は天井に向かって伸ばす意識で座る
  2. 床に座っている場合は、あぐらではなく、極力正座をする

おしりで椅子の座面を押す、頭を天井に向かって伸ばす意識をする理由としては、そのような意識をすることでお腹の中の圧力(以下、腹腔内圧)を高める役割をする筋肉(腹筋群、横隔膜、骨盤底筋群)を刺激することができるためです。腹腔内圧を高めることができると、お腹に空気がパンパンに入った風船が入るような感じになり、ラクに姿勢を保ちやすくなります。

床に座る際、あぐらよりも正座を勧める理由としては、あぐらのようにガニ股の姿勢をすることで、骨の構造的なつながりから、背中が丸くなりやすいためです。骨の構造的なつながりによって背中が丸くなるため、その姿勢でなるべく背中が丸くならないように意識することは、非常に努力性が高いと言えます。したがって、正座の方が骨の構造的なつながりにより、ラクによい姿勢を保つことができます。

 まとめ:姿勢を変えて印象も変わる!

姿勢がよい方が印象がいいという感覚の方は多いと思いますが、研究結果により、実際に「よい姿勢」の方が「悪い姿勢」よりも信頼性が高いことが証明がされています。

信頼性が低いと、頼りなく見られる・老けて見られるなどのデメリットがあります。ぜひ、姿勢改善のために行動を起こしていきましょう!

立っている時の姿勢改善のポイントとしては、以下のとおりです。

  1. あごを引いて頭が前方に飛び出さないようにすること。(横から)
  2. 土踏まずの中央付近(足首の前方付近)に体重を乗せるイメージで立つこと。(横から)
  3. おへそが左右の足の間の中心付近に位置している。(正面から)
  4. つま先が過度に外側(内側)を向いていない。(正面から)

座って時の姿勢改善のポイントとしては、以下のとおりです。

  1. おしりで椅子の座面を押す意識、頭は天井に向かって伸ばす意識で座る
  2. 床に座っている場合は、あぐらではなく、極力正座をする

上記のポイントを実施して、良い印象を周囲に与えられる姿勢ラクに維持できるように、無理なく努力してきましょう!

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